実家の片付けを前に、こんな気持ちになる方は多くいます。「どこから手をつければ」「費用がいくらかかるか見当もつかない」「業者に頼んで損をしないか」。
家財処分の主な方法と費用の目安
処分の方法は大きく4つあります。費用の水準は方法と物量で変わります。
不用品回収業者に頼む
トラック1台分の回収費用の目安は、軽トラック積み放題で1万5,000円〜3万円前後、2トントラックで5万円〜10万円前後が多く見られます。ただし業者・地域・物量・処分品の種類によって幅があります。
エアコンや冷蔵庫などの家電リサイクル法対象品目(テレビ・洗濯機・冷蔵庫・エアコンの4品目)は、別途リサイクル料金が発生します。
出典環境省 家電リサイクル法env.go.jp遺品整理業者に頼む
遺品整理(=故人の遺品を整理・処分する専門サービス)は、不用品回収との大きな違いが「仕分けの作業を代行するかどうか」です。遺された物の中から形見分けの候補を分けてもらう、貴重品を探してもらうなどの作業が含まれます。
費用の目安は、1LDKで15万円〜30万円、3LDKで30万円〜60万円前後。物量・間取り・作業内容によって変わります。
費用の詳細な内訳は 遺品整理の費用 でまとめています。
自治体の粗大ごみ・廃棄物収集を使う
自治体の粗大ごみ収集は、1点あたり数百円〜2,000円程度が多く、費用は圧倒的に抑えられます。ただし予約が必要で、搬出日まで数週間待つ場合があります。大量の家財を一気に処分したい場合には向いていません。
自治体によっては「臨時ごみ収集」や「戸別収集」のサービスもあるため、まず市区町村の窓口やウェブサイトを確認する方法があります。
売却・買取に出す
状態の良い家具・家電・食器・着物などは、買取業者やフリマアプリで売却することで、処分コストの一部を回収できる場合があります。ただし状態・需要・年式によって買取価格はゼロになることもあります。
買取が成立しなかった残りは他の方法で処分する必要があるため、「売却でまかなえる分を先に確認する→残りを業者・自治体で処分する」という順序が費用を抑えやすい進め方の一つです。
家財処分と家の売却を同じタイミングで進めるケースでは、家財処分の費用と売却で回収できる金額を合わせて考える方法もあります。実家全体の売却の進め方は 実家の売却手続き、空き家として売る場合は 空き家買取の使い方 をそれぞれ参照できます。
費用を左右する要素
物量と間取り
費用に最も影響するのは物量です。同じ「3LDK」でも、物が少ない部屋と物が多い実家では処分費用が2倍以上変わることもあります。見積もりを依頼する前に、大まかな荷物量(トラック何台分か)を自分で把握しておくと、業者との話が早くなります。
物の種類
家電リサイクル法対象品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機)は別途リサイクル料が発生します。ピアノ・金庫・大型家具なども追加費用の対象になる場合があります。見積もり依頼のときに「こういうものがある」と伝えると、後からの追加請求を防げます。
出典環境省 家電リサイクル法env.go.jp作業の範囲
「運び出しまでやってもらう」「仕分けも含める」「清掃まで依頼する」など、作業範囲が広くなるほど費用は上がります。自分でできる作業(段ボールへの梱包・軽いものの仕分け)を事前にやっておくと、業者の作業時間が短くなり費用を抑えられることがあります。
立地と搬出条件
エレベーターのない建物の上階、道路が狭くトラックが近づけない場所、急階段など、搬出が難しい条件は追加料金になる場合があります。訪問見積もりの際に現地を見てもらうと正確な金額が出ます。
業者の選び方と注意点
許可証の確認
不用品の回収・運搬は「一般廃棄物収集運搬業」の許可、または「産業廃棄物収集運搬業」の許可が必要です。許可を持たない業者による「無料回収」は後から高額請求になるトラブル事例が報告されています。
依頼する前に、市区町村が許可を与えた業者一覧を自治体のウェブサイトで確認する方法があります。
出典環境省 廃棄物処理法env.go.jp遺品整理業者については、「遺品整理士認定協会」など認定団体に加盟しているかを確認する一つの目安になります。
出典一般財団法人遺品整理士認定協会is-mind.org複数社の見積もりを取る
同じ作業内容でも、業者によって費用は大きく異なります。3社以上から見積もりを取ることで、相場の範囲を確認できます。訪問見積もりが原則で、写真や電話だけの「概算」は実際と乖離しやすいです。
根拠のない断定(「他社の半額で対応できる」「この価格は今しか出せない」等)を強調する業者は、後から追加請求になるケースも報告されています。
見積書の内訳を確認する
「一式」とだけ書かれた見積もりは、後から「◯◯は含まれていなかった」と言われる原因になります。「トラック何台分」「家電リサイクル料の有無」「清掃の有無」が明記されているか確認します。
不法投棄のリスク
費用が極端に安い業者が回収した廃棄物を不法投棄した場合、排出者(依頼した側)も責任を問われる場合があります。処分先の確認(マニフェスト発行の有無など)を業者に確認することが、自衛の手段になります。
自分でできる費用節約の順序
費用を抑えたい場合、以下の順序で進めると無駄が出にくくなります。
- 仕分け: 「残す」「売る」「処分する」の3つに分ける
- 売れるものを先に査定に出す: 買取業者・フリマアプリで回収できる費用を把握する
- 自治体の粗大ごみに出せるものを出す: 点数が少なければ費用は数百円〜数千円で済む
- 残った大量の家財を業者に依頼する: 物量が減っていると費用も下がる
- 見積もりは複数社から取る
親の家にある家財の量が多い・時間がない・遠方からの作業になる、という状況では、全部を自分でやろうとすると疲弊します。「自分でできる範囲を決めてから残りを業者に任せる」という切り分けが現実的な方法の一つです。
よくある質問
不用品回収業者と遺品整理業者、どちらに頼めばよいですか
親が施設に入居中で本人が生存している場合は不用品回収業者、故人の遺品を整理する場合は遺品整理業者が向いています。遺品整理業者は仕分けの代行・貴重品の捜索・形見分けの対応など、感情面での配慮が含まれるサービスが多いです。費用は遺品整理業者のほうが高くなる傾向があります。
費用を抑えるために自分で運搬してゴミ捨て場に持ち込む方法は使えますか
自治体のゴミ処理施設(クリーンセンター等)に自己搬入できる場合は、費用を大幅に抑えられます。受け入れ品目・受付時間・料金は自治体により異なります。事前に市区町村のウェブサイトか電話で確認してください。車がない、搬出できる人手がない場合は現実的でないこともあります。
買取と処分を同時に依頼できる業者はありますか
「買取と処分を一括で対応する」業者はあります。買い取れるものは査定して費用から差し引く形で、残りを処分するサービスです。ただし買取価格は業者の判断によるため、事前に買取額の内訳が明示されるか確認しておくと後からの齟齬が防げます。
実家の片付けで遺品整理業者に頼んだ場合、費用の目安はどうなりますか
間取りと物量によって変わります。1LDKで15万円〜30万円、3LDKで30万円〜60万円前後が目安として見られますが、建物の条件・作業内容によって上下します。詳しい費用の内訳は遺品整理の費用の記事でまとめています。
業者に頼む前に確認しておくことはありますか
一般廃棄物収集運搬業の許可証の有無、見積書の内訳(一式ではなく品目別)、家電リサイクル料の含む・含まないの明示、の3点を確認しておくと、後からのトラブルを防ぎやすくなります。
まとめ
- 家財処分の方法は「不用品回収業者・遺品整理業者・自治体の粗大ごみ・売却」の4つが主な選択肢
- 費用は物量・物の種類・作業範囲・立地によって大きく変わる
- 許可証の確認・複数社の見積もり・見積書の内訳確認が、費用トラブルを防ぐ基本
- 売れるものを先に処分し、残りを業者に依頼する順序で費用を抑えやすくなる
- 一人で全部やろうとしなくてよい。業者との役割分担が現実的な進め方
費用の全体像が見えてきたら、遺品整理にかかる費用の詳細は 遺品整理の費用 で確認できます。片付け作業そのものに疲れて手が止まっているときは、実家じまいに疲れたときで気持ちの整理と選択肢を整理できます。
PR遺品整理110番詳細を見る →出典
- 環境省 家電リサイクル法: https://www.env.go.jp/recycle/kaden/
- 環境省 廃棄物処理法: https://www.env.go.jp/recycle/waste/
- 一般財団法人遺品整理士認定協会: https://www.is-mind.org/