仲介と買取、
どっちがいい?

実家を売る方法は、大きく2つあります。仲介(不動産会社に買い手を探してもらう)と、買取(不動産会社に直接買ってもらう)。
同じ家でも、どちらを選ぶかで手取りが数百万円変わります。まず、その差を見てください。
何がどう違う?
| 仲介 | 買取 | |
|---|---|---|
| 売れる額 | 市場価格に近い | 市場価格の6〜8割 |
| かかる期間 | 3〜6か月 | 1〜4週間 |
| 買い手 | 一般の人 | 不動産会社 |
| 仲介手数料 | かかる(法定上限あり) | かからない |
| 内覧 | 必要 | ほとんど不要 |
| 売った後の責任 | 原則あり | 免除されることが多い |
売れる額
かかる期間
買い手
仲介手数料
内覧
売った後の責任
価格を取るなら仲介、期間を取るなら買取です。
なぜ買取は安いの?
業者が、あなたの代わりにリスクを引き受けるからです。
買取業者は、買った家を自分で売り直します。その間、こういう負担を業者が背負います。
- 買い手が見つかるまでの数か月、資金が寝る
- リフォームや修繕の費用がかかる
- 売れ残るかもしれない
- 固定資産税や管理費が発生する
ここで差がつく
この負担を引き受ける代わりに、買値を下げている。
6〜8割という数字は、業者の取り分ではなく、リスクの値段です。
だから「買取業者に足元を見られた」とは限りません。早さと確実さを、価格で買っていると考えると、判断しやすくなります。
仲介なら、必ず高く売れる?
売れればそうです。ただ、売れないこともあります。
仲介は「買い手を探す」方法なので、見つからなければ売れません。
- 3〜6か月が目安だが、それ以上かかることもある
- 内覧のたびに掃除して、立ち会う必要がある
- 値下げを重ねた結果、買取と変わらない額になることもある
- 売れないまま、固定資産税を払い続ける
特に、駅から遠い・築年数が古い・傾いているなど買い手がつきにくい家は、仲介で長期戦になりやすい。その場合は最初から買取の方が、結果的に手元に残ることもあります。
手数料や税金も違う?
仲介手数料は買取ならかかりません。税金は同じです。
仲介の場合
売却額 × 3.3% + 66,000円
上限・税込/例:3,000万円で売れた場合、約105万円
買取の場合
仲介手数料なし
業者が直接買うため
これは400万円を超える価格で売れた場合の上限です。800万円以下の空き家などは、別の上限(最大33万円・税込)が定められています(令和6年7月1日施行)。
ただし、買取で6〜8割になる減額の方が、仲介手数料より大きいのが普通です。手数料だけで判断しないでください。
税金は、どちらでも同じです。売って利益が出れば譲渡所得税(売って利益が出たときにかかる税金)がかかります。相続した実家なら「空き家の3,000万円特別控除」が使える場合があり、適用期限は2027年12月31日までです。適用の判断は税理士に確認してください。詳しくは 実家売却の全手順 で整理しています。
自分はどっち?
期限があるかどうかで、だいたい決まります。
仲介が向いている
- 売り急ぐ理由がない
- 少しでも高く売りたい
- 内覧の対応ができる
- 買い手がつきやすい家(駅近・築浅など)
買取が向いている
- いつまでに現金化したい期限がある
- 遠方に住んでいて、内覧に対応できない
- 家が傷んでいる、荷物が残っている
- 近所に知られずに売りたい
決めかねているなら、両方に査定を出す方法があります。仲介の想定価格と買取価格を並べて、その差が待つ時間に見合うかで判断できます。
高く売るか、早く終わらせるか。どちらが正解ということはありません。
自分の家がいくらで売れそうか、いつまでに手放したいか。この2つがはっきりすれば、選べます。
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm - 国土交通省 空き家の発生を抑制するための特例措置
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000030.html - 国土交通省 宅地建物取引業法関係(宅建業者の報酬告示・昭和45年建設省告示第1552号/最終改正 令和6年国土交通省告示第949号)
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000266.html - 法務局 相続登記の申請義務化について
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.html - 政府広報オンライン 相続登記が義務化されました
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202302/2.html - e-Gov 宅地建物取引業法 第46条(報酬)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=327AC1000000176