再建築不可の家を売る現実的な方法と相場

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再建築不可の物件は「売れない」と言われますが、出口は複数あります。選択肢は主に「専門の買取業者への売却」「隣地所有者への打診」「43条ただし書き申請などで再建築の道を探る」の3つで、それぞれ向く人・向かない人が分かれます。タイプ別の最初の一歩は冒頭の結論ブロックで整理しています。

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目次

買取・仲介・隣地売却の比較

再建築不可物件の出口は、まず全体像を押さえることから始まります。ここでいう再建築不可とは、建物を取り壊すと新たに建物を建てられない土地のことです。詳しくは再建築不可物件とは何かを解説した記事で整理しています。

売却手段は大きく分けて4つあります。

  • 専門買取業者への売却: 訳あり物件に強い業者が自社で買い取る。スピードは速いが価格は市場価格より下がる。
  • 一般仲介での売却: 不動産会社が買い手を探す。時間はかかるが、条件が合えば買取より高くなる可能性がある。
  • 特殊構造の物件: 連棟・長屋の売却のように、境界と登記の切り離しが難しい物件は、扱いが特殊になります。
  • 隣地所有者への売却: 隣の土地とまとめれば接道条件を満たせる場合、隣地所有者にとって価値が高い。
  • 保有し続ける: 賃貸や駐車場として活用しながら維持する。

使い分けの目安

早く手放したい、建物の管理負担から解放されたい人は買取が現実的です。時間に余裕があり少しでも高く売りたい人は仲介を試す価値があります。隣地とまとめると再建築可能になる立地なら、隣地所有者への打診が最も高値になることもあります。

相場と費用

買取相場のレンジ

再建築不可物件の買取価格は、同じ立地の「再建築可能な土地」と比べて低くなる傾向があります。一般的に、更地価格の5割前後まで下がる例が多いとされますが、これは立地・道路との関係・土地の広さで大きく変動します。同じ「再建築不可」でも、後述の43条ただし書きで建築が認められる可能性がある土地は、評価が上がりやすいです。

価格の妥当性を判断するには、複数社の査定を比べることが欠かせません。1社だけの提示では、それが相場なのか割安なのか判断できないためです。

仲介での費用

仲介で売却する場合、成約時に仲介手数料がかかります。宅地建物取引業法の上限は「売買価格×3%+6万円+消費税」(400万円超の部分)です。売買価格が低い場合、2024年の改正で低廉な空き家等について特例的な上限が設けられていますので、依頼前に手数料の計算方法を確認してください。

譲渡所得税と3000万円控除

売却で利益(譲渡所得)が出た場合、譲渡所得税がかかります。ただし、被相続人が住んでいた空き家を相続して売る場合、一定要件を満たせば「空き家の3,000万円特別控除」を使える可能性があります。

出典国税庁 タックスアンサー No.3306nta.go.jp

この特例の適用期限は2027年12月31日までの譲渡に延長されています。また、2024年1月1日以後の譲渡から、相続人が3人以上の場合は控除額が1人あたり2,000万円に減額されます。あわせて、譲渡の翌年2月15日までに耐震改修または家屋の取壊しが行われれば、譲渡時点で未改修でも特例の対象となります(買主による改修・取壊しも可)。

出典国土交通省mlit.go.jp

要件は細かく、個別の物件で適用可否が変わります。実際の申告前に税理士など専門家へ確認してください。

期間の目安

買取なら査定から引き渡しまで数週間から1〜2か月程度で完了する例が多いです。仲介の場合、買い手が付くまで数か月から1年以上かかることもあり、再建築不可という条件から特に長期化しやすい点に留意してください。

メリット・デメリット

買取のメリット

自社買取のため買い手を探す期間が不要で、早期に現金化できます。契約不適合責任(引き渡し後に不具合が見つかった場合の売主責任)を免除する契約にできる業者も多く、後々のトラブルを避けやすいです。訳あり物件を専門に扱う業者なら、再建築不可でも断られにくいのが利点です。

買取のデメリット

価格は市場価格より下がります。業者は再販や活用のリスク・コストを織り込むためです。1社だけで決めると、その価格が妥当か判断できません。

仲介のメリット

買い手が個人の場合、業者買取より高く売れる可能性があります。隣地所有者や、あえて安く広い土地を求める買主に届けば、思わぬ好条件になることもあります。

仲介のデメリット

再建築不可は住宅ローンが組みにくく、買い手が現金購入者に限られやすいため、成約まで長引きます。売れ残ると維持費や固定資産税の負担が続きます。

注意点と業者選び

再建築不可の売却では、業者選びが結果を大きく左右します。以下の基準で見極めてください。

免許確認と実績

宅地建物取引業の免許番号を必ず確認します。免許は各都道府県または国土交通大臣が交付し、番号は行政の名簿で照会できます。再建築不可や未接道物件の扱いに関する実績があるかも確認しましょう。

見積もり複数取得の重要性

査定は必ず複数社から取ります。1社の提示だけでは相場観が持てません。価格だけでなく、契約条件・引き渡し時期・費用負担の内訳まで比較する必要があります。

契約前チェックリスト

  • 査定額の根拠を説明できるか(「なぜその価格か」を言葉で説明できるか)
  • 根拠のない断定を行う業者でないか
  • 客観的調査に基づかない優位性訴求をしていないか
  • 決断を急がせる訴求を強調していないか
  • 契約書の内容(契約不適合責任・違約金)を事前に開示するか

査定額の根拠を説明せず、優位性だけを強く訴える業者は避けてください。誠実な業者は、価格が下がる理由も含めて丁寧に説明します。

再建築不可に特化した相談先を検討する場合は、専門の買取窓口を利用する方法があります。

進め方

  1. 事前準備: 登記情報・公図・現況を確認し、なぜ再建築不可なのか(接道義務を満たさない等)を把握する。相続物件なら登記名義も確認する。
  2. 業者選定: 訳あり物件の実績がある業者を複数ピックアップする。
  3. 査定依頼: 複数社に査定を依頼し、価格と条件を並べて比較する。43条ただし書きの可能性がある土地は、その点も相談する。
  4. 契約〜引き渡し: 契約条件を確認し、納得できる業者と契約。引き渡しと決済を行う。

相続した空き家の場合は、売却前に相続登記を済ませておく必要があります。相続登記は2024年4月から義務化され、施行前に相続した不動産も2027年3月31日までに申請が必要です。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。

出典政府広報オンラインgov-online.go.jp

戸籍の収集が間に合わない場合は「相続人申告登記」で義務を仮に履行できます。

出典法務局moj.go.jp

よくある失敗

  • 1社だけで即決する: 相場が分からないまま安値で手放してしまう。
  • 隣地への打診を試さない: 隣地とまとめれば再建築可能になる立地なのに、その価値を見逃す。
  • 43条ただし書きを検討しない: 自治体の許可で建築が認められる可能性を確認せず、価値を過小評価する。
  • 売れないと放置する: 空き家のまま放置すると管理コストと近隣リスクが積み上がる。空き家全般の出口は空き家の買取に関する記事も参考になります。
  • 相続登記を後回しにする: 登記が済んでいないと売却手続きに進めない。

関連記事:

よくある質問

再建築不可の家は本当に売れますか?

売れる可能性はあります。専門の買取業者、隣地所有者への売却、条件が合う個人買主など、出口は複数あります。ただし市場価格より下がる傾向があるため、複数社の比較で妥当な価格を見極めることが大切です。

再建築不可でも住宅ローンは使えますか?

再建築不可物件は担保評価が低く、住宅ローンが組みにくいのが一般的です。そのため買い手が現金購入者に限られやすく、仲介では成約まで時間がかかる傾向があります。

43条ただし書きとは何ですか?

建築基準法43条の規定で、接道義務を満たさない土地でも、一定の基準に適合し特定行政庁の許可を受ければ建築が認められる仕組みです。認定・許可が得られる可能性がある土地は評価が上がりやすいため、売却前に自治体窓口へ確認する価値があります。

相続した再建築不可の家を売るとき、税金の優遇はありますか?

被相続人が住んでいた空き家を相続して売る場合、一定要件を満たせば空き家の3,000万円特別控除を使える可能性があります。適用期限は2027年12月31日までの譲渡です。要件が細かいため、税理士など専門家に確認してください。

買取と仲介、どちらを選ぶべきですか?

早く確実に手放したいなら買取、時間をかけても少しでも高く売りたいなら仲介が向きます。隣地とまとめると再建築可能になる立地なら、隣地所有者への売却が最も高値になることもあります。

まとめ

再建築不可の家は「売れない」わけではありません。買取・仲介・隣地売却・保有という選択肢があり、物件の立地と事情で最適解が変わります。複数社の査定で相場観を持ち、43条ただし書きの可能性や隣地への打診も検討してから判断する順序が現実的です。相続物件なら登記と税の特例の確認も欠かせません。

自分の物件がどの出口に向くか整理したい方には、下記の簡単な診断が使えます。

物件の状況から出口を診断する

訳あり物件全般の買取を検討する場合は、こちらも参考になります。

出典

  • 国税庁 タックスアンサー No.3306 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
  • 国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000001_00016.html
  • 政府広報オンライン https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202302/2.html
  • 法務局 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.html
  • 消費者庁 景品表示法 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/
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