持分は、誰のものに
なるの?

共有者が亡くなると、その持分は自動的に残った人のものになる——そう思っている方が多いのですが、違います。
実際には、共有者が増えることの方が多い。
亡くなった人の持分は、誰のものになる?
亡くなった方の相続人に引き継がれます。
共有者が亡くなっても、その持分があなたのものになるわけではありません。
実家を父と自分で2分の1ずつ持っていて、父が亡くなった場合
父の持分2分の1は、父の相続人(母・自分・弟)で分けることになります。
→ 自分と父の共有 → 母・自分・弟の共有
共有者が2人から3人に増えます。
亡くなった方に相続人が一人もいない場合は、他の共有者へ移ることがあります。ただし特別縁故者(身寄りのない方と生前に特別親しかった人)への分与などの手続きを経た後で、通常のケースではありません。
まず、何をすればいい?
相続登記です。名義を正すのが先です。
相続登記は、亡くなった方から相続人へ、不動産の名義を変える手続きです。
- 2024年4月から義務化。相続を知った日から3年以内
- 怠ると10万円以下の過料の対象
- 登録免許税は固定資産税評価額の0.4%
過料はいきなり科されるわけではありません。まず法務局から催告があり、それでも正当な理由なく応じない場合に、裁判所へ通知されます(法務省 相続登記義務化のQ&A)。
手続きの流れ
1相続人を確定する(亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集める)
2遺産分割協議(誰がどの持分を引き継ぐか話し合う)
3登記を申請する
相続税の申告が必要な場合、期限は相続開始を知った日の翌日から10か月以内。登記より短いので注意してください。判断に迷う場合は税理士へ。
放置すると、どうなる?
共有者が増え続けて、誰の同意も取れなくなります。
ここが落とし穴
名義を放置したまま次の相続が起きると、持分がさらに分かれます。これを何代か繰り返すと——
会ったこともない親戚が共有者になり、売ることも直すこともできなくなる。
固定資産税でも揉めます
共有者全員に納税義務があるため、誰が払うかで揉めたり、誰も払わずに滞納が発生したりします。
過料のリスクもあります
相続登記は義務なので、怠れば10万円以下の過料の対象です。
名義を正したら、次は?
そこで初めて、この家をどうするか決められます。
- 持ち続ける
- 共有者の誰かに持分を集める(→ 単独名義への変更)
- 全員で売る
名義が宙ぶらりんのまま買取業者に持分を売る話から入ると、残された共有者とのトラブルになります。まず登記、次に選択肢。
共有者が亡くなったら、まず戸籍を集めて、名義を正す。
決めるのは、そのあとで大丈夫です。
出典: 民法(e-Gov 法令検索)(887条・889条・890条 相続人の順位/255条 相続人不存在の場合の持分帰属)/法務省「相続登記の申請義務化」(3年以内・10万円以下の過料)/国税庁 タックスアンサー No.7191(登録免許税の税額表・相続0.4%)