底地の売却|貸している土地を相続した地主が、損せず手放す方法

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まず整理します。底地とは、土地の所有権を持ちながら、その上を他人(借地人)に貸している状態の土地です。地代(土地の家賃)は入りますが、借地人が建物を持っているので、地主は土地を自由に使えません。売ろうにも「借地人つき」なので買い手が限られ、一般の土地より安く・売りにくいのが特徴です。

目次

なぜ底地は売りにくく、安いのか

底地が扱いにくいのには理由があります。買った人も、借地人がいる限り土地を自由に使えません。特に旧法の借地権では借地人の権利が強く保護されていて、地主から一方的に契約を終わらせるのは極めて困難。さらに、こうした利用制限のある底地は担保価値が低く見られ、買い手が金融機関の融資を受けにくい。だから市場での需要が限られ、単独で売ると安くなりがちです。

ただし、底地は「土地そのものの資産価値」を持っています。立地や地代の水準、借地人との関係によっては、数千万円規模で売れることもある。安く手放す前に、売り方を吟味する価値があります。

売却先ごとの相場と特徴

① 借地人に売る(最も高くなりやすい) その土地を借りている借地人に、底地を買ってもらう方法です。借地人が底地を買えば、土地も建物も自分のものになり「完全な所有権」になるので、借地人にとってもメリットが大きい。だから更地価格の50%前後と、比較的高く売れます。ただし、借地人に買う意思とお金がなければ成立しません。まずは借地人の意向を確認するのが出発点です。

② 借地権と一緒に「同時売却」する(高値が狙える) あなたの底地と、借地人の借地権を、同じタイミングで一緒に第三者へ売る方法です。買い手は完全な所有権を得られるので高く売れ、地主・借地人の双方が得をします。売却代金の分け方は借地権割合が基準——たとえば借地権割合70%の土地なら、地主(底地)が3割、借地人が7割、という具合。ただしこの配分は交渉次第で、地主が4〜5割を受け取る形になることもあります。借地人も土地を手放したいと思っているなら、これがいちばん有利な売り方です。

③ 買取業者・第三者投資家に売る(早いが安い) 底地専門の買取業者や、地代収入を狙う投資家に売る方法です。借地人との交渉を省けて、早く・確実に手放せるのが利点。ただし価格は正直に言うと安く、更地価格の10〜20%程度が相場です。「借地人との調整が面倒」「とにかく早く手放したい」「複数の底地をまとめて処分したい」人向けですが、価格は最も低くなります。

どう選ぶか

順番はこうです。まず借地人に「買いませんか」と打診する(①)。借地人も手放したいなら、一緒に売る同時売却(②)を提案する。どちらも難しければ、最後の手段として買取業者(③)。 買取業者は10〜20%と最も安いので、そこから入るのはもったいない。底地は買い手が限られるぶん、「誰に売るか」で手取りが数倍変わります。焦らず、まず借地人の意向を確かめてください。

なお、底地を売れば、固定資産税・都市計画税の負担と、借地人との煩わしい調整から解放されます。持ち続ける負担と、売って得られる額を天秤にかけて判断してください。借地権と底地を合わせた全体像は 借地権の実家を相続・売却するには にまとめています。

よくある質問

底地はいちばん高く売るなら、誰に売ればいいですか?

まず借地人への売却を検討してください。借地人が底地を買えば完全な所有権になるため、更地価格の50%前後と高く売れます。次に高いのが、借地人と一緒に売る「同時売却」。買取業者や投資家への売却は早くて確実ですが、更地価格の10〜20%程度と最も安くなります。

なぜ底地は安くしか売れないのですか?

底地は借地人がいるため、買った人も土地を自由に使えず、需要が限られるからです。特に旧法借地権では借地人の権利が強く、地主から契約を終わらせるのが困難です。また担保価値が低く買い手が融資を受けにくいため、市場での流動性が低く、単独で売ると安くなりがちです。

同時売却のとき、地主と借地人でどう分けますか?

借地権割合を基準に分けるのが一般的です。たとえば借地権割合70%の土地なら、地主(底地)が3割、借地人が7割になります。ただしこの配分は当事者間の交渉次第で、地主が売却価格の40〜50%を受け取る条件になることもあります。事前の合意が重要です。

底地を持ち続けるのと売るの、どちらがいいですか?

底地を持ち続けると地代収入がある一方、固定資産税・都市計画税の負担と、借地人との調整(更新・建て替えの承諾など)が続きます。売れば負担から解放されますが、単独では安くなりがちです。地代収入と持ち続ける手間、売って得られる額を比べて判断してください。手放すなら借地人への売却や同時売却が有利です。

出典国税庁 財産評価基準書 路線価図・評価倍率表(借地権割合・底地の評価)rosenka.nta.go.jp 出典e-Gov 借地借家法(借地権と底地の関係)laws.e-gov.go.jp

この記事は特定の買取業者・不動産会社への誘導を目的としていません。底地の売却は、借地契約の内容・借地人との関係・立地によって最適な方法が変わります。ご自身の状況に即した判断には、不動産鑑定士・税理士・弁護士など、いずれの会社にも属さない立場の専門家にご相談ください。

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