売ると決めた。
次は何を?

売ると決めたなら、順番があります。飛ばすと、安く売ってしまったり、後から名義の問題で止まったりします。
売るべきか迷っている段階なら、先に 共有名義になった実家 と 業者に売る前に を読んでください。
売る前に、名義は自分になっている?
相続登記が済んでいないと、売れません。
- 亡くなった親の名義のままでは、売却手続きに入れない
- 2024年4月から相続登記は義務。知った日から3年以内
- 登録免許税(名義を変える登記のときに、国に払う税金)は固定資産税評価額(市区町村が決める評価額。実際の売買価格より低いのが普通です)の0.4%
登記が済んでいない場合は、まずそこから。 → 共有名義の片方が亡くなったら
いきなり業者に出していい?
先に共有者へ声をかけてみてください。
ここで差がつく
業者に売ると、市場価格×持分割合の5〜7割程度が目安です。兄弟が買い取るなら、この割引が起きません。
同じ持分でも、売る相手で数百万円変わります。
家全体 3,000万円 / 持分 3分の1 の場合
計算上の価値
1,000万円
業者買取の目安
500〜700万円
これは実務でよく使われる目安であり、公的に定められた数字ではありません。
業者に出すとき、何を見る?
免許の確認と、複数社の査定です。
- 宅地建物取引業の免許を持っているか(国土交通省のシステムで照会できる)
- 共有持分の取扱い実績があるか
- 査定は必ず複数社。持分は業者ごとに評価が分かれる
契約前チェックリスト
- 買取額の根拠を説明してもらえるか
- 契約後、他の共有者へどう対応する方針か
- 決済までの期間と追加費用が明示されているか
根拠を示さずその場での決断を迫る相手には、応じないでください。
どのくらいの期間で終わる?
業者買取なら最短1〜2週間。共有者間なら1〜3か月。
- 専門買取業者:査定から決済まで最短1〜2週間
- 共有者間の売買・全体売却:合意と登記を含めて1〜3か月
- 裁判(共有物分割請求)まで進むと:半年〜1年以上
税金はかかる?
利益が出たときだけ、その2割か4割です。
売った額そのものにかかるのではありません。売った額から、買ったときの値段と売却にかかった費用を引いて、残った利益にかかります。
譲渡所得税の税率(所得税+住民税+復興特別所得税)
5年を超えて持っていた場合
20.315%
5年以下の場合
39.63%
「5年超」か「5年以下」かは、売った年の1月1日時点で判定します(国税庁 タックスアンサー No.3202・3208・3211)。
相続した実家の場合、所有期間は亡くなった方が買った日から数えます。親が何十年も前に買った家なら、相続してすぐ売っても「5年超」になることがほとんどです。
「空き家の3,000万円特別控除」が使えれば、利益から3,000万円を引けます。適用期限は2027年12月31日まで。2024年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上の場合、控除額は1人あたり2,000万円に減額されます。適用できるかは状況によります。判断は税理士に確認してください。
売ると決めたら、名義を確かめて、まず兄弟に声をかける。それから業者に出す。
この順番を守るだけで、手元に残る額が変わります。
出典: 国税庁 タックスアンサー No.3306(被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例)/国税庁 タックスアンサー No.3202(譲渡所得の計算のしかた・所有期間の判定と相続の期間引継ぎ)/国税庁 タックスアンサー No.3208(長期譲渡所得20.315%)/国税庁 タックスアンサー No.3211(短期譲渡所得39.63%)/政府広報オンライン(相続登記の申請義務化)